雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月24日 高田世界館で「マルモイ ことばあつめ」を観る

2020.10.24

 舞台は1940年代の日本統治下の朝鮮。日常生活では日本語が押し付けられ、自分の名前もが創氏改名で日本語名にさせられる。朝鮮語が消滅してしまうような状況で、多くの人たちの力を借りて朝鮮のいろいろな地域から言葉を収集し、朝鮮語辞典を編纂していった人たちの苦難の物語です。
 
 映画の中で「言葉は精神」と主張する場面が出てきます。私は、言葉は生活そのものだと思っているんです。
 高田で言えば、あなたのことを「おまん」と言い、のんびりするリラックスすることを「じょんのび」という。こういう言葉に僕らは育てられてきた。
 新潟や下越に行けば、語尾が「~なんさねえ」とイキのいい言葉が印象的でした。新潟で生活をした当初は戸惑ったけど、飾り気のない言葉にいつのまにか自分も「~なんさねえ」なんていうようになっていた。他方で、市町村合併である日突然に使い慣れた地名がなくなってしまうことも経験しました。
 生きた言葉を記録して辞書を編纂することは私達の生活そのものを記録することなんです。そして、日本統治下の朝鮮では、自分たちの言葉を記録すること自体が抵抗でもあり、闘いであった。弾圧されてもへこたれない人々の生きざまが感動的に描かれています。
 監督は、「タクシー運転手」で脚本を担当したオム・ユナ。自分としてはアカデミー賞なんではないかと思いますが。ちなみに「マルモイ」パンフの真鍋祐子さん(東京大学教授)の解説が秀逸です。
 高田世界館で11月6日まで。是非ご覧ください。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画