雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月7日 「職親プロジェクト」って知ってますか?

2020.10.07

 実刑判決を受けて刑務所に服役して2年目を迎えた受刑者から月1回くらい手紙をもらっている。判決が確定した後に接見した際、「絶対月に1回手紙を書くからね」と言っていたが、言葉通り手紙を送ってくれる。凄い奴なのだ。その方のお蔭で、私も、刑務所での暮らしがわかるようになった。弁護士は、普通は被告人と判決までしか付き合わないからその後のことは余りよくわかっていないのだ。
 今日受け取った手紙には「職親プロジェクト」のことが書かれていた。
 企業と国とが協力して、服役を終えた人が再び罪を犯さないように、企業が「職の親」となり就労支援をする活動をいうらしい。企業は、罪を犯した人であることを知ったうえでその人の受け入れをするわけだ。凄い決意である。実際は理想通りにはいかないこともあるんだろうとは思うが、高い理想を実践しようと試みることに意義があると思う。
 その方も、あと半年で出所の予定なのだ。そのプロジェクトに加盟している企業に職を求めて手紙をやりとりをしたところ、何と内定通知をもらったというのだ。企業は、よかったなあとしみじみ思った。本当にもう過ちを犯さないでと祈るしかない。
 そのサイトにはこう書かれてあった。「過去は変えられないが、未来は変えられる」。含蓄のある言葉だ。

 
 

馬場秀幸  カテゴリー:仕事