雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月7日 永眠

2021.10.07

 私の義父(妻の実父)が先日永眠しました。満95歳、大往生です。
 義父は石積み職人でした。現役の頃は、妙高市(旧新井市)の万内川や妙高地域周辺の砂防工事の仕事に従事していました。石を切ったり割ったりしてその石を積む。筋骨はたくましい(収骨をした時も骨が太くてびっくりしました)。
 義父は、退職後、現役の時につちかった技術を利用して石のカエルの置物造りに没頭しました。
 
 何でカエルを?
 
 義父は生前、地元の上越タイムスの取材を受けたときにこんなことを言っていました。
「毎日弁当を手に山へ通い、大勢の仲間が到着するまで一人で石を割ってきた。山奥で聞えるのは鳥のさえずりや清流の水音、カジカガエルのなき声だけ。「カエルと一緒に働いたようなもの。本当にきれいな声で鳴くんだ」」(上越タイムス2005.5.24)。思い出のカエルに人が自分の家に「無事にカエル」思いを重ねて造ったそうです。
 義父の働いてきた万内川を再訪しました。ここは明治時代に大きな土石流災害があったところです。その後、地域の人々の力で幾重にも連なる堰堤が完成しました(写真上)。万内川の流域は記念公園として整備され、義父の造った石のカエルが置かれていました(写真下)。いい仕事してきたんだなと思いました。

馬場秀幸  カテゴリー:その他