雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

11月6日 他人の家の子を叱るということ

2021.11.06

 叔母さんの孫の結婚式と披露宴に出席した。お孫さんとは親戚関係も薄くなる。しかし、叔母さんの「親元」(=実家)ということで呼んでくれたようだ。申し訳ないなあと思いながらも、実は喜んで参加した。というのも、久しぶりに3人のいとこたちに会えることになっていたからである。
 叔母さんの家は私の実家の隣村だった。このいとこたちとは年齢が近かったので、叔母さん家族が夏に私の家に泊まりに来た時はみんなで遊んだ。また、叔母さんの家の地元の神社のお祭りがあるときは私も招かれて行った。しかし、大人になってからはしばらく会っていない。久方ぶりの再会である。
 ただ、そういう楽しい思い出ばかりではない。苦い思い出もある。それは叔母さんに自分が叱られた思い出である。
 あるとき、叔母さんの家にお呼ばれして、いとこたちと悪ふざけをし、私がその一人を泣かせてしまったことがあった。その時、私は叔母さんに叱られた。もう何をしたのか、何で泣いたのかも覚えていない。しかし、自分にとっては親戚とはいえ他人から叱られるということが滅多にないことだった。その頃は、家はもちろんのこと、近所からも甘やかされていた。だから、悔しかったし、驚いた。だから、記憶に残っているのだろう。ただ、不思議と恨みは遺っていない。おそらくは叱られても当然のことをしたのだろう。
 今になって思うが、子どもとはいえ、自分の「親元」から客としてきた子である。叱るというのも勇気がいることだったのではないだろうかと思う。自分が今、叔母さんの立場だったらどうしていただろう。
 披露宴では、叔母さんは私の隣の席に座っていた。耳も遠くなった。そんな昔の出来事、話をしても叔母さんは覚えていないだろうなあ。

馬場秀幸  カテゴリー:その他