川淵さんはしゃべりすぎたよね。森さんから指名されたとか、森さんを相談役にするとかさ。森さんも川淵さんも自分たちの置かれた現在の立場を全然わかっていないんじゃないかなあって思う。
　問われていたのは、女性差別発言を通して人権感覚が余りにないんではないかということだと思うんです。そこを浪花節で乗り切ろうとしても、日本というムラ社会ならまだしも、さすがに国際舞台では通用しなかった。そして、通用しないということを森さんも川淵さんもわかっていなかったと思います。残念ながらこれがこの国の指導者の現実なんでしょうね。
　森さんも川淵さんも老害批判をするな、と言っているが、「老害」「老害」と言って騒いでいるのは実は彼らであって、私たちはもっと根源的な人権感覚というところで、彼らの言動や行動に興ざめしてしまっていると思うんです。
　いずれは、森さんの後任は決まるんでしょう。それでこの問題も表面的には決着するんでしょう。でも、一番たちが悪いのは、森さんではなく森さんの発言を傍らで笑っていたり、黙認していた連中だと思うんです。彼らを取っ変えることはできませんし、むしろ自分もその会議の席にいたら、笑っていたかもしれない。そういう意味では本質的な問題は森さんの首を変えたとろで何も変わらない。地道に取り組んでいくしかないと思います。