雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

2月22日 私の愛した街

2021.02.22

「私の愛した街」は、1月に亡くなられた横井久美子さんの歌だった。 
 この前久し振りに東京北区十条の街に行った。
 埼京線の十条の駅の改札口を出たら驚いた。左側の大きな区画が工事のための柵で囲まれていて、中を見れば更地になってしまっていた。
 なんだこの変わりようはと思って帰ってきたが、最近読んだ朝日新聞では今、板橋や十条などの商店街で再開発がされているとのことだった。地価の高騰、地元商店街の後継者不足、そこに大手の開発業者が入って来て高層ビルデングを作ってしまうということのようだ。
 寂しい。
 十条は、自分が結婚をはさんで4,5年住んだ街だ。ここにいたときに司法試験に合格し、長女も生まれた頃だ。小さな喫茶店やラーメン屋などが軒を連ねていた。そういう懐かしい思い出がいきなりブルドーザーで押しつぶされてしまった、そんな気持ちになった。
 十条の前は東京の谷中に住んでいた。谷中にいたときも、ちょうど鈴木都知事時代の東京マイタウン計画とかなんとかで不忍通り沿いの小さなお店が地上げ屋の攻勢で立退きを余儀なくされ、替りに高層マンションなどが次々と出来あがり、下町の雰囲気が壊されていった。
 時代の流れには逆らえないのだろうが、既存の街並みを維持した再開発があってもいいのではないか。
 私が住んだ東京の下町は、風情と人情があって住みやすかった。

馬場秀幸  カテゴリー:その他