雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月13日 コロナのとばっちりその5 事情変更の法理で乗り切れ。

2020.05.13

 今日は外国人旅行客専門の旅館の相談だった。今年の3月頃から客足が途絶え、売上は9割減。業者に清掃業務を委託していた(継続的な委託業務契約)が、この先しばらく客もこないので清掃の必要もない。契約を解除することができるか?
 
 こういう相談結構多いのではないか。
 
 民法には事情変更の法理という考えがある。ⅰ)契約後に契約の基礎たる事情に著しい変化が生じ、ⅱ)その事情変更が契約当初予見不可能であったこと、ⅲ)事情変更の結果、従前の契約の拘束力をそのまま維持することが信義則に反する結果になる、などの場合は、契約の変更や契約自体の解除をすることができる、というものである。

 今回の旅館の場合にはあてはまるのではないか。まさか新型コロナウイルスが世界的に感染拡大し、外国人の入国禁止措置が取られることなど誰も予測しえなかっただろう。その結果、売上がなくなってしまい、しかも今後の予測がつかないのだから、現在の契約をそのまま維持することは余りにも過酷であろう。委託料の大幅減額、或いは契約の解除が可能ではないかと考える。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事