雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月14日 アンソニーホプキンスの「ファーザー」を観る

2021.06.14

 ロンドンのアパートメントに住む老人の話。この老人を中心にドラマは進行するのだが、映し出される世界が現実なのか彼の観ている夢なのか、現実と夢とを行ったり来たりしているのだが、どっちが現実でどっちが夢の世界だったのかわからない。おそらくは、老人の眼でフィルムが回されているのだろう。
 老人は、最期は娘夫婦の手におえず、施設で暮らすことになる。自分の目にしている世界が果たして夢なのか現実なのかとうとう自信が亡くなってくる。「枝も葉も、全部がなくなっていく」と動揺し、「お母さん」と泣き叫ぶ。その姿が痛々しくて切ない。
 切ない話だったが、老人に寄り添う娘やヘルバーがとてもとてもやさしくて泣けてくる。

馬場秀幸  カテゴリー:その他書籍・映画