雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月6日 持続化給付金詐欺

2022.06.06

2020年11月6日の「雪の街だより」に以下の話を書いた。
※   ※   ※
 知人から電話がきた。「書類を揃えれば簡単にお金が貰える」という話だった。コロナで生活が苦しい。知人の誘いに応じた。
 知人が作成した決算書に自分の名前を書いて押印して税務署に持って行った。後は知人にすべてを任せた。
 その後しばらくしたら自分の口座に100万円が入金された。知人に手数料として40万円を渡した。60万円は借金の返済、生活費に使用した。
(そこまではよかったのだが)。
 その後、税務署から所得税を納めてほしいという書類がきた。市役所からも市民税の支払をしてほしいとの要請がきた。もらったお金はすべて使用してしまったので何もない。家族に相談したら、それは詐欺ではないかと責められた。

※   ※   ※
 今回、持続化給付金の制度を悪用した巨額の詐欺事件が摘発された。指南役が現役の税務署職員であったということを知って驚いた。
 たしかに、税務署職員であれば、確定申告書、決算書の偽造などいとも簡単なことだったと思う。それにしも、公務員の倫理意識の低下は余りにもひどすぎる。
 私に相談をしてきたのは、飲食店経営者の妻だった。妻はそれまで店を手伝っていたものの申告する収入などなかった。それをコロナ禍で持続化給付金制度ができたことをこれ幸いと、知人から持ち掛けられ、確定申告書を偽造した。私は、すぐに、自分がしたことを警察に届け出て、もらったお金を返金するように助言した。おそらくこの手口は、今回の税務署職員のしたこととまったく同じだったと思う。助言が間違っていなくてよかった。

馬場秀幸  カテゴリー:その他