雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

8月6日 NHKBSプレミアム「ライオンのおやつ」を観る

2021.08.06

 小川糸さんの原作をドラマ化したものです。
 末期ガンで若くして余命を告げられてしまった女性(が、最期の人生を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことに決めます。そこでの人との交流が描かれて、毎回毎回重たいものを考えさせられます。
 個人的には5回目に登場する作詞家「先生」のお話がおもしろかった。
 「先生」が、雫のいるホスピスに入園してきた。ある日、入園者たちが、ホスピスの食堂で、昔流行った流行歌をギター演奏しながら楽しく歌い出していたところ、「先生」が自室からいきなり飛び出してきて、「うるさい!」と一喝する。しかし、その歌は、なんと「先生」が、昔奥さんと出会った頃のことを綴った歌だった。
 「先生」とホスピスの人たちとの間できまずい雰囲気がただよう。「先生」は、「おまえら、どうせ金目当てなんだろ」と言ってホスピスを出ようとする。その場に、ある女性がホスピスを訪ねてきた。先生の奥さんだった。奥さんは、もうあなたには付き合いきれないわ、みたいな感じで自分の分を署名した離婚届けを「先生」に渡す。「先生」は動揺する。奥さん、「先生は」昔から仕事がはかどらないとイライラを家族にぶつける、どうにかこうにか我慢してきたが、ガンが発覚した後も同じことの繰り返しでもう付き合いきれない、とホスピスの人に語るのだった。
 「先生」の姿、雫も、かつての自分を見ているようで「先生」の気持ちがわかると言っていた。雫も、末期ガンとわかったときは、運命を呪い、自分の部屋にあったぬいぐるみにあたって破りちぎっていたのである。私も、イライラする時の自分を見せつけられているようでつらかった。
 自分にもやがてくる死。きちんと向き合って考えておきたい。
 8月15日が最終回。是非ご覧ください。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画