雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

9月2日 相談者と10年後の再会を誓う。

2021.09.02

 ココラに「死後事務委任契約」のことを書いたら、ある男性がその話を聞きたいと言って事務所を訪れた。
 聞けば、自分は独身で子もいない、兄夫婦と姪が一人いるが自分が亡くなった時彼らに迷惑をかけたくない、だから、死んだあとのことはどうしたらいいのか迷っているし、死後の事務を任せることができそうな知人も友人もいない、こういう場合、どうしたらいいんだろうか、ということだった。
 「死後事務委任契約」と書いてはみたものの、実際に相談を受けるとわからない。この人が亡くなった時、いったいどういう事務が発生するのだろうかよくわからん。医者に死亡届けを書いてもらい、それを役所に届け出る、人並みの葬儀をして火葬してお骨をお墓に入れてあげる。これくらいなら何とかなる。でも、その人が住居に家財道具をそのままにしており借家でもあろうものなら片づけ作業をしなければならない。病院でも入院していたら入院費用の請求があるかもしれない。とにかく死んだとき、どういうことになっているのかわからない。
 男性は、「弁護士さん、私の死んだ後始末引き受けてくれませんか」と言われた。しかし、仕事の内容をはっきりしておかないと大変なことになる。考えるのはまだ先にしませんか、と言ってとりあえず依頼はまた後でいうことになった。自分もどうなるかわからないし。「10年後元気に再会しましょう!」と言って別れた。

馬場秀幸  カテゴリー:その他