雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

 最後まで住み慣れた場所で暮らしたいというのは自然な気持ちだと思う。

2019.06.10

 その女性は家族から責められていた。
既に90歳を過ぎている。夫も死亡し、子どもも遠方で家庭を持っている。足腰も弱くなり自分一人で外出もできない。一人暮らしはもう無理だ。近くの親戚が「施設に入ろう」という。女性も「そうしよう」とそういうことになった(はずだった)。
でも、今日はまた違うことを言っていた。本当はこの家で暮らしていたいんだ。施設に行くと今までの暮らしができないでしょ。私が何もできないと思って、周りがおせっかいをするけれど、うるさく言われるのは正直いやだ。
 女性の話はわがままなように聞こえるけれど、自分がその年代になって施設に入れと同じようなことをいわれたらどうなんだろう?と思う。
できれば最後まで住み慣れたところで生活したい。自然な感情だと思う。こういう人が全国にたくさんいるだろうにと思いながら。黙って話を聞いていた。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事

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