雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

外交もボクらの示談交渉と同じかのように思わせてくれた日ロ交渉 その2

2019.06.04

 弁護士の示談交渉は依頼をしてくれた本人のために行う。それは当然のことだ。では、外交は、誰のためにするのだろう?それはやっぱり国民のためだろう。
 そういう意味では示談交渉も、外交もおんなじようなものだ。当然規模は全然違うけれど。
 でも、最近の外交はやっぱり変だ。
 例えば。
 日本政府は、今年度の外交青書で「北方四島は日本に帰属する」との文言を削除した。また、政府答弁でも北方領土が「固有の領土」ということを言わなくなった。今までと全然違うではないか?方針変更をするならするで国民に説明するのが筋だろう。弁護士の交渉事だったら、当然方針の転換は依頼者本人に説明する。そして、本人の了解なしに方針変更などはできない。
 北朝鮮の拉致問題に関しても、一昨年秋の解散総選挙は「国難突破解散」と銘打って北朝鮮の脅威を強調し、「対話のための対話には意味がない」とまで言い切った。それを最近は条件をつけずに金委員長と会って素直に虚心坦懐に話しをしたいという。これらについて、「相手のある外交で、アプローチを柔軟に見直すことも必要だろう。だが、理由を十分説明しないままの方針転換には、与党内からも「説明が必要」と指摘が出ている」(朝日新聞6月3日「安倍外交の手詰まり感」)。当然である。国民軽視といえるし、安倍政権は外交を内向きの政権浮揚や選挙に利用していると言わざるを得ない。
 私たちとしても、外交についてもしっかり批判する必要がある。国民軽視の外交では、知らないうちに国益が損なわれることにもなりかねない。

馬場秀幸  カテゴリー:その他

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