雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

11月16日 面会交流に立ち会う その3 面会交流って誰の権利?

2021.11.16

 面会を求めるのが、もっぱら子と別れた親が多いという現象をみれば、それは別れた親の情愛に基づく権利といえる。
 しかし、子が別れた親と親子であることを確認し、愛情を受けることが子の福利になると考えれば、それは子の権利であり、子が面会交流を求めることができるし、その子の監護親が別れた親に向かって「たまには会ってよ」と主張する権利も認められるはずである。
 最近、私の知人が、親が離婚したときのことを語ってくれた。その人は10代の頃に両親が家庭内別居をしていて離婚をした。離婚したときは母親の側だったが、数年を経て父親のことも客観的に観れるようになったという。ある日、お金がどうしても必要になり、父親に手紙を書いた。そうしたら、父親が返事をくれて1万円をくれたという。それがとてもすごく嬉しかったというのである。この話は、面会交流が何よりもまずは子のために必要であるということを理解させてくれる。身近な人との交流は絶やすべきではないということなんだと思う。

 ところで、そうは言ったって、あなたは、面会交流の調停で、別れた親の要求を拒否する親の代理人をしていることがあるではないか? と誰かに問われるかもしれない。その通り。しかし、それは弁護士で代理人という仕事上の宿命で、考えていることと行動することが食い違っていることもままあるのである。ただ、面会交流は別れた親がよほどの例外的な事由(児童虐待など)がない限りは何とかして認めるべきではないかと思うし、その実現のための話し合いには応じたいと思うし、自分の依頼者が面会拒否にこだわるとしたら、それは正直どうなんだろうなあ???と心の中で思っている。

馬場秀幸  カテゴリー:その他