5月4日 遠藤周作「イエスの生涯」「わたしが・捨てた・女」
5連休ですが、毎日事務所に詰めて仕事をしています。いろいろ仕事が溜まっておりまして。
それでも、時々休み時間をとり本を読んでいます。
遠藤周作『イエスの生涯』遠藤周作がいろんな文献を読んで日本人としてのイエス・キリスト像を描き上げたとのこと。実はボクはクリスチャンでもなんでもないから聖書も読んだこともないし、イエスのことすら知りませんでした。
「遠藤周作は『イエスの生涯』でイエスは、奇蹟なんか起こせなかった、つらい目にあい、泣いている人たちに寄り添っただけだ、と書いています」と紹介してくれたのはブレイデイ・みかこさん(朝日新聞2020.3.14)。それを読んで彼女は号泣した、そんなイエスなら信じられる、救われた気がしたと感想を述べています。
ブレイデイさんを号泣させた本ならと読んでみたくなったのです。キリスト教のことを知らないので感想がなかなかできないのですが、イエス・キリストって何なのかいろいろな文献を読みこなしながらそれを自分なりに確立しようとする遠藤周作の真摯な姿勢には心が打たれました。
さて、次は遠藤周作『わたしが・捨てた・女』今読んでいる最中です。昔、東京にいたとき、音楽座ミュージカル「泣かないで」を観ました。この原作になったのが『わたしが・捨てた・女』なのです。たしか、いい加減な男が真面目な女の子をひっかけて一夜を過ごし、すぐに捨ててしまった物語で、なんで遠藤周作がこんな物語を書いたんだろうかと思いながら読み進めています。
ステキな一節がありました。
「天井のしみ跡をみつめている。ぼくはそれをみるのが好きだ。子供の頃、腹痛を起こして学校をやすんだ日は、いつもとちがった静かな家のなかで天井のしみ跡をじっと眺めて一日を過ごしたものだ。しみ跡は子供の眼には雲の形となり、動物となり、夢の城となった。」