雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月3日 「十把一絡げの否定」ではなく「必要最小限度」の精神を!

2020.05.03

 今日は日本国憲法の記念日だ。なんか書いておかなければ・・・。

 今新型コロナウイルスが原因で、芸術家のコンサートも、政治や文化的な集会も演説会も制約を余儀なくされている。サービス産業も業務の自粛、移動の自由さえ事実上奪われている。そして、学校も休校になり学ぶことさえままならない。これら制約されるものはすべて日本国憲法が保障する人権です。

 こういう異常事態において、意識してほしいのは他者の自由を拘束するにあたって「必要最小限度」の精神を持つということです。
 神奈川県のパチンコ店の経営者は、3月から客に使い捨ての手袋は配布したり、4月からは稼働させる台を半分に減らし客の間隔を開けた。けれども、「県には十把一絡げで否定された」と憤っています(朝日新聞2020,5.3「パチンコ店に休業指示」)。
 山に行くのも自粛してほしいという話があります。どうも、登山客が山小屋に押し寄せると三密になるとかということです。だったら、日帰り登山を勧めればいいわけで、山に行くのを一律自粛しろみたいな言い方はおかしいと思います。学校だってすべて休校するのではなくて分散登校だって考えてもいいのではないでしょうか。
 もちろん、感染拡大の防止のために私たちの活動を制限されるのはやむを得ません。しかし、「十把一絡げ」であってはいけない。この異常事態でもできる限り必要最小限度の規制を模索するべきだと思います。これが、「生命、自由、及び幸福を追求に対する国民の権利については・・・最大の尊重を必要とする」と規定する憲法の精神だからです。

馬場秀幸  カテゴリー:その他