雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月6日 附属池田小事件から20年

2021.06.06

 附属池田小事件。宅間守が大阪教育大学附属池田小に進入し、同校の児童8人を殺害、15名を負傷させたという児童をターゲットにした無差別殺人事件であった。宅間守は、2003年8月に死刑判決を受けた。2004年9月に死刑が執行された。余りにも早い刑の執行だった。
 死刑は当然としても、その執行が本人が望んでいたとはいえ、余りにも早かったことに、私は違和感を覚えた。今もそれに変わりはない。
 精神科医によれば、彼には刑を問えるだけの責任能力があったという。だから、彼を「しばらく」生かすことによってどうして彼が殺害行為を企てたのかその真実の解明を進めてほしかった。また、彼をあえて「しばらく」生かすことによって反省の言葉を言わせる努力を続けてほしかった。正義の回復は、死刑の執行だけでは足りないような気がする。加害者の被害者や社会に対して懺悔をして謝罪をすることが必要なのだと思う。
 

馬場秀幸  カテゴリー:その他