雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月7日 遺産分割で連絡がつかない方への対応

2021.06.07

 遺産分割の依頼を受けて、相続人の方々に協議を呼び掛けても、調停期日への出廷を求めても、何の連絡もしてくれないことがあります。おそらくはそれなりの事情があるのですが、分割を進めようとする側は話し合いをしたくても始めることができず困ってしまいます。遺産分割が未了のままに相続人がなくなると、相続人の数が多くなります。こういう状態を「メガ相続」というらしいです。相続人が10人、20人、30人になれば、それだけ連絡がつかない方がいる可能性が高くなる。そうすると、不動産の登記も更新されず、昔に死んだ人の名前の状態になっているということもあります。
 また、相手方の法律行為能力に支障がある場合には、そのままの状態で手続きに参加させるわけにはいきません。相手方に後見人などをつけてもらってその方を代理人として出席してもらう必要があります。日常生活では後見人をつけるまでもないのに、遺産分割の手続きのために後見人をつけなければならないという問題、その選任手続きの費用は誰が出すかという問題など、悩ましい問題がでてきます。
 高齢化社会、家族関係の希薄化などの複雑な事情によって、遺産分割事件が増加し、その手続きの過程でも、悩ましい問題が次々出てきて、毎日のように対応に追われている今日この頃です。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事