8月17日 仲野太賀の『拾われた男』第8回 親と子の立場も変わる
暑い日が続く。
『拾われた男』第8回の場面では、今まで勝手放題をしてきた父平造(風間杜夫)が、居酒屋のカウンターで諭(仲野太賀)と座り、珍しく弱気にな姿を見せたシーンも印象的だった。
親子関係も、いつの日か変わる。
私の父は、いつも手を出すわけではなかったが、私が、彼の要求に応えようとしなかったり、理不尽な回答しかしなかったときは容赦なく平手で私の頬を殴ってきた。いつだったか、父の手が私の頬を目がけたとき、その手を私の手で握り掴んで未然に阻止したことがあった。父の力が弱くなり、その分、私の力が相対的に優るようになった。
こんな些細な事が記憶に刻まれているのは、おそらくそれまでは父の力が物理的にも精神的にも圧倒的だったと感じていたからだろう。それでも、いずれはこういう時がくる。
風呂敷を広げるが、やっぱりテレビドラマや映画でいろいろ考えさせてくれるのは、家族をテーマにしたものである。私の好きな映画でいえば、古くは小津安二郎、「寅さん」の山田洋次、最近では是枝裕和である。仕事をしていても、いろいろな家族の問題があることを実感している。