9月4日 自宅の取り壊しを承諾してくれた婆さんの目に涙
私が後見人をしている90歳の女性の自宅を取壊すことになった。
自宅は築100年超え。床が抜けたり、屋根もところどころはがれたり。庭は木が伸びすぎて隣家から苦情が来る。婆さんが介護施設に入所してからは空き家となり、最近ではたぬきの棲家になっていた。地元の町内会長からも幽霊屋敷みたいで気持ち悪いと苦情が来ているし火事になれば大事だから早く毀してくれないかと再三要望がきていた。約2年間説得に説得を重ねてようやく婆さんも承諾してくれた。
周りの人には幽霊屋敷でも、婆さんにとっては親や姉と住んだ思い出の家である。私の顔を見ながら「残念ですけれど仕方ありませんね」と言う顔の右目から涙が一滴こぼれてきて、どうしようもなく切なくなった。