9月9日 小さな小さな弁護団
同期の仲間と弁護団を組んで事件をやっている。といっても、N弁護士と私との二人きりの小さな弁護団だ。
弁護士になったころ、いろいろな弁護団に入って勉強することが大事だと先輩弁護士から言われた。しかし、自分は弁護団に入っても勉強をしない。しないどころか怠けてしまい、他の弁護士に迷惑をかける。だから、地元で独立した際は事件についてはなんでも一人でこなしてきた。そのほうが、自分の性に合っていた。
そんな自分だったが、今回の事件は、N君から2年前に電話がきたのが発端だ。N君がいうには、ボクの地元から事件依頼がきている、自分ひとりではできないから地元の君も一緒にやってくれないか。聞けば、理系の専門知識が必要な事件でボクには無理だった。
断ろうとしたのだが、N君の誘い文句は巧妙だった。「ボク(N君)が書面を書くから心配ないよ」と言った。そういわれると断る理由がなくなってしまう。それ以来、二人のちっぽけな弁護団活動が始まった。
何から何までN君に任せっきりだ。それでもN君のおおらかな性格に助けられ、何とか弁護団は今日まで続いている。