雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』(新潮社)

2019.12.22

 どの本屋に行っても平積みにされて売られている。ベストセラーなのが信じられない。けどうれしい。
 ブレイデイみかこはロンドン在住の保育士でライターでコラムニスト。イギリスの現代子育て事情を日本人の視点から描いたもの。イギリスの格差、移民と地元民の確執、保守党政権の緊縮政策など、子育ての背景事情がリアルで遠い国イギリスを身近に感じることのできる良著である。
 しかし、明らかに左翼本で、現代の出版事情からするとなんでこの本がという不思議さはある。新潮社の販売戦略が功を奏しているのかな?いずれにしても、これから日本も間違いなく、移民、貧困、階級などイギリスが直面している問題にぶち当たることになる。日本の近未来の預言書であるとともに、どんな困難なことがあろうとも、ボクらの生活は日々何とか回っていくという前向きな気持ちにさせてくれる。一読をお薦めします。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画