雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

刑事弁護人としての履歴 その1

2019.07.17

 最近、否認事件の依頼を受けた。とりあえず自分の履歴を記録しておきたい。
 新潟にいた時の事件(たしか弁護士2年目だった)。酔っぱらいの男性が古町の飲食店街を歩いていたところ、向うからやってくる女性にナンパ目的で声をかけて、抱きしめた。女性は怖くなって逃げだして警察を呼んだ。男性は逮捕されて強制わいせつ未遂で起訴された。男性は執行猶予中の身であった。
 私は、ナンパというのは相手の同意を前提に性的交渉をしようとするものであってナンパ目的=わいせつ目的ではない、と主張した。また、抱きしめること自体は猥褻な部位への侵害ではないといして、強制わいせつ罪は成立しないと主張した。
 判決は、強制わいせつ罪を否定し暴行罪の成立を認めた。そして、情状に特に酌量するべき事情があるとして再度の執行猶予を付してくれた。
 いわゆる認定落ち(一部無罪)判決で、自分にとっては出来過ぎの判決であった。丁寧に分析すれば、どんな小さな事件でも争うべきものはあるということを学ばせてもらった。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事

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