雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月10日 向き不向き

2021.10.10

 お世話になっている知人男性のおもしろい過去。
 今は自営業を営んでいるが、過去の一時期、サラ金に勤めていたことがあった。武富士、アイフルなどの大手ではなく地方に本社があるサラ金だったものの、当時はサラ金全盛の時代、いい給与をもらっていた。
 ある日、支払をしてくれない利用者の自宅に取り立てに行った。利用者が不在のようだが、金目になるものはないかと思い、妻の承諾を得て自宅の中に入れてもらった。そうしたら、奥の部屋で、3人のおさな子がいて、小さい鍋に入ったインスタントラーメンを3人で箸でつついていたという。その光景をみて、取り立てなんて自分には向かないと思ってサラ金の会社を辞めた。そんな話だった。
 人間の情を一切捨てないとやってられない。たしかにそれぞれの仕事、向き不向きがある。
 それで思い出したが、私も仕事上、サラ金や商工ローンの従業員と知り合った。大体はどこにでもいる普通の人であって、怖いと感じた人はいない。給料が一般の相場よりもいいからという理由で就職した方が多かったと思う。非情な取り立てが性に合っている人なんて余りいないんではないだろうか?あの人たちは今、どうしているんだろうなんて思い出した。

馬場秀幸  カテゴリー:その他