雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月11日 NHK土曜ドラマ『正義の天秤』を観る

2021.10.11

 『正義の天秤』3回目。若手の杉村弁護士。被告人が自分に心を許し正直に何度も話してくれたと思っていた。しかし、実際は、被告人は真実を隠し検察官と裏取引をして巧妙に一般よりも軽い刑を勝ち取っていた。騙されたと知った杉村が接見室で被告人に真意を問うが、被告人はそれに正面から答えず、検察から控訴されたことを知って「また杉村さんにお願いしたいなあ」とうそぶく。これに対して、杉村が「高裁でも最高裁でも付き合うよ」「おまえが死ぬところまで見届けるよ」と言葉を絞り出して被告人に言う。リアルだなあと思いました。
 こっちが心を開けば相手も開いてくれる。それは理想的なんですが、実際はそう簡単ではない。お互いの生きていた人生が違えば違うほどわかりあうには時間がかかる。このドラマの被告人はそういうことを思い知らせてくれています。
 その被告人に対して、杉村も負けていません。「死ぬまで見届けるよ」っていうのはとことん付き合うよってことですよね。騙されたことを知りながら、あきらめない。「今度は騙されないぞ」という弁護士としての意思表示ですね。こういう気持ちになることたしかにあります。職業魂ですね。おそらくウソをついていた被告人からしてみればいやなんではないでしょうか?
 法廷ドラマは、こんなストーリー普通ありえないよ~の連続なのですが、誇張された内容でも、その中にリアルを感じ取る場面があります。ドラマとはいえ「いいところ見てるなあ」と思います。杉村弁護士の接見の場面はまさにそうでした。彼の言葉にはしびれました。第4回目以降も楽しみです。
  

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画