雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

2月1日 刑事弁護 否認を貫くか、早期釈放を求めるか。

2022.02.01

 最初の接見で「私はやっていません、無実です」という被疑者に出会うことはたまにある。
 否認を貫くか、早期釈放を求めるか? 早めに方針を確立することが重要である。
 前にも書いたが、日本の刑事司法は人質司法と呼ばれている。否認を貫こうとすれば、警察・検察は身柄を人質にする。捜査だけでも23日の勾留。起訴しても勾留を続ける、弁護人が保釈を求めても検察はそれを阻止しようとする。悲しいけれど、否認を貫くか、身柄の解放かは二者択一になってしまっている。
 今回の被疑者には早期釈放を優先することとした。苦渋の選択である。弁護士は被疑者と連絡をとって示談の話を勧める。
 被害者がいる事件では示談を成立させるこたが不起訴への近道である。ただし、当事者間で示談が成立しても、稀に検察が起訴してしまうこともある。これが、刑事事件の難しいところである。示談した意味がないではないか、と被疑者やその関係者に恨まれたこともある。
 今回は被害者の温情により示談が成立した。さて、検察の処分はどうなるのだろう?
 

馬場秀幸  カテゴリー:その他