雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

2月18日 惜別の言葉 Sさんへ

2022.02.18

 本当は名前を出したいところですが、差支えがあるので「Sさん」とさせてください。
 Sさんは、私の中学時代の恩師の奥さんでした。中学校を卒業してもたまに恩師の家に行きお話をさせていただいていました。その時にはSさんの手料理もいただきました。恩師はその後私の大学時代の頃に交通事故で死亡されたため、その後お家に行くこともなくなりました。
 ところが、数年前、偶然にも、ある市民集会でSさんと再会をすることができました。私の市民運動仲間が地元でSさんと懇意にされていたのでした。娘さんらは結婚されて独立し、今は一人暮らしをされていたとのことでした。ずいぶん昔に私が訪問していたことも覚えてくださっていてそれからいろいろな選挙や集会で行動を共にしてきました。
 もう70を超える歳なのに、あの数年前の戦争法反対の集会。大雨の悪天候にもかかわらず、足を少し引きずりながら集会に参加し、「馬場さん、頑張ってね!」と言ってくださったのも思い出の一つです。
 昨年の秋頃、Sさんの友人の方から、体調を崩されて入院をしている、コロナなので面会もできないんだ、と聞かされていました。元気なお姿しか想像していなかったので、今回の訃報に接して驚くばかりであります。
 印象的な思いでを一つ。選挙カーでSさんと一緒に市街を街宣していたときのことでした。私が先に降りてSさんが降りてくるのを車の傍らで待っていた。そうしたら、Sさんが足をよろけてしまった。
 そのとき、Sさんが私に一言。「馬場さん、なんで手を出してくれなかったの?」
 (ガサツでごめん、イギリスのジェントルマンみたいな習慣がないんだオレには)と心では言いたかったのですが、大先輩でしたのでそんなタメ口はせずにひたすら謝りました。そんなお嬢様っぽくて茶目っ気なところがSさんにはありました。享年79歳。まだ逝くには早すぎますよ、もっと「頑張れ」「頑張れ」と励ましたほしかった。Sさんのご冥福を祈ります。

 

馬場秀幸  カテゴリー:その他