雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

2月24日 観たい映画に読みたい本(新聞の書評欄から)

2020.02.24

(以下は朝日新聞2月22日)
『上野新論 変わりゆく街、受け継がれる気質』(筑波大学准教授五十嵐泰正著、せりか書房・3300円)
「山の手と下町が出会い、歩いて回れる範囲に集まっているのが上野だ。・・・千葉県柏市生まれの五十嵐泰正さんにとって、都会とは上野だった。親や友人と遊びに来た。高校時代の1991年、イラン人がテレホンカードを売っていたのが印象に残る」(文は石田祐樹さん)
わかるなあ。私もその頃、上野の隣の谷中にいた。疲れると自転車でたまには徒歩で上野公園に行く。京成上野駅の入口あたりにイラン人がたむろしていた。まったく異国の世界だった。その当時は日暮里駅にもたくさんいた。あの人たちは今どうしているんだろうなあと思う。アメ横の地下街には東アジア産の魚介類や肉類が売られていた。今では珍しくないかもしれないが、当時は異国の世界だった。懐かしい。
『無敗の男 中村喜四郎全告白』(常井健一著 文藝春秋・2090円)
あっせん収賄罪で有罪になって出所した以降は「特に「政治献金もゼロ」、「一回も金集めの『励ます会』はやったことがない。普通の政治家がやることは一切やらない」という。しかし、後援会の小さなネットワークをこまめに回り続け、選挙には必ず勝つ」(評は作家のいとうせいこうさん)
中村喜四郎は、元自民党。今は野党共闘のハブになっている。1月の日本共産党大会にも来賓としてあいさつ。
「私たち、長年、自民党にいた人間からみると、アメリカの核の傘に入っていれば、もう絶対大丈夫だと思っているわけですけれども、それが、だんだん通らなくなっている。」「今のアメリカに寄り添っていくことで日本の安全が担保できるのか、根本が問われる状況になっています」「野党が政権をとる以上、外交や防衛など国民が心配している問題に答えられるのか、「野党のほうがやるよね」「野党のほうがいいよね」と言われるような野党に変わっていくことが今回の第28回大会だということです。」中村さんの立ち位置が変わったのか、それとも社会が右になびいたのか?この保守政治家の支援が野党共闘に多様性と深みをもたらしてくれているのは間違いない。
(以下は赤旗2月23日)
『病気は社会が引き起こす』(木村知 角川新書・840円)
風邪の症状の意味は?発熱は体温を上げてウイルスの活動を抑制、鼻づまりはさらなる異物の進入を防ぐ。鼻汁とくしゃみとせきは、異物を対外に出す自己防衛反応だと。え~そうなんですか?知らなかった。木村さんはこう説きます「自浄作用である症状を薬で消そうと考えること自体がナンセンス。薬にはカゼを治す効能も、長引かせない効能もありません。風邪は自然治癒します。・・・体を休め、栄養を取るのが一番です」。
私もここ10年、カゼで病院に行ったことはない。風邪の症状が出たらまず寝る。少しはいいものを食べる。これで直してきた。自分のしてきたことが実証されたようでうれしいです。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画