雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

4月14日 この国難を機に医療体制の見直しをしてほしい

2020.04.14

 身近な話になるが、上越の地元では最近目立って人口透析患者の受け入れ先が乏しくなってきている。人口透析はどこの病院や診療所でやっているというわけでもないようで、例えば一つの医院が閉院すると、そこで知慮を受けていた患者さんの受け入れ先をどうするかということが大問題になるのだ。というのも、透析患者の方は、隔日ごとに透析治療に通っている。その治療を閉ざすことは生命の危険に直結するからだ。そういうものなのに受け入れ先に困るというのは何なんだと素人としては思っていた。
 少し地域や話題を広げると、厚生労働省は公立・公的病院の統廃合を進めるため、全国で424病院を対象に挙げた。新潟県でも22病院が名指しされた。その中には上越地域の松代、妙高、柿崎病院も含まれている。新潟県は国の方針と機を一にして「財政難」を背景にこれらの病院の機能や規模の縮小を提案していた。
 そこに、新型コロナウイルスの問題である。感染者の拡大で全国各地の医療が危機に瀕している。感染者の治療に追われ、院内感染も発生し、医院が外来患者の停止や閉院などの事態になっている。
 改めて思う。社会の制度には「溜め」が必要なものがあるということだ。「溜め」とはたくわえること、余裕をもたせることである。人間も、気持ちの余裕がないときいざというときにパニックになる。医療制度にもそれがいえる。余裕がないといざというときに力が出せなくなる。民間に任せていいものと国や自治体がするべきことの区分けを慎重に考え直してほしいと思う。

馬場秀幸  カテゴリー:その他