雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月14日 ちばあきおの『キャプテン』を知ってますか?

2022.05.14

 5月10日の朝日新聞の『天声人語』はちばあきおの『キャプテン』から今の中学校の部活の現状と問題点を論じていた。
 なつかしい。
 『キャプテン』は、大して強くもない中学校野球部の努力と成長の物語である。舞台の中学校にはほとんど顧問の先生が出てこない。生徒たちが自分たちで考えて練習をする。それでも許されていた時代だった。
 私たちの場合もそうだった。上越市内のはずれの小さな中学校。部活の時間に顧問はほとんどこない。自分たちだけで練習する他なかった。だから、指導に優れた顧問がいる学校には憧れた。ただ、振り返ってみると、恵まれていなかったことでいろいろ生徒で自由にできたということもある。とにかく牧歌的な時代だったのだ。
 
 今年は『キャプテン』連載開始から50年という。時代は変わった。今では、多くの先生が顧問となって毎日のように指導する。「部活未亡人」という言葉もある。夫が部活指導に時間を奪われ、家庭にほとんどいない状態を指すという。
 
 さて。スポーツ庁の有識者会議が部活改革の提言案を示したという。公立中学校の休日の部活指導を地域の団体にゆだねていくというものだ。先生方の休みを保障する趣旨というのなら賛成するしかないが、本当に先生方の休日の確保に繋がるのだろうか?民間の指導者を管理するのは先生方と言うのであれば、心理的負担は返って重くなるのではないか?また、民間に任せると教育的な配慮が軽視されて勝利至上主義になりはしないだろうか?部活はどうすればいいのだろうか?まだまだ悩みは尽きない。

馬場秀幸  カテゴリー:その他書籍・映画