雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月17日 入管法 ブラックボックスに光を! その2

2021.05.17

 オーバーステイの外国人についての退去強制手続きが始まると、外国人は強制送還がなされるまでの間、原則として入管施設に収容される。この入管施設での収容については入管庁の裁量が大きい。例えば収容年数に期限はないし、健康状態が悪化した人には「仮放免」といって身柄を入管施設の外に出すこともできるが、その基準も不透明である。
 そこで、今国会では入管法の改正案が提出されたわけだが、その内容はどうみても改悪である。なんら現在の収容の問題点が改善されていない。そう、外国人の人権問題に詳しい弁護士は指摘していた。特に今年の3月6日、名古屋入管に収容されていたウシュマ・サンダマリというスリランカ人女性が施設内で不審死を遂げた。まずはこの死亡原因を解明することが先決ではないか、と野党も指摘した。これに対して内閣も与党も彼女の死因の解明には消極的だった。法案の審理が膠着し、委員会での採決の行方も不透明になってきているようである。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事