雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月28日 井上「恒」さん。

2021.05.28

 今日の朝日新聞の「窓」は最高に面白かった。
 井上恒(ひさし)さん、60歳。
 4歳の頃、テレビで観た「ひょっこりひょうたん島」に「井上ひさし」の文字が目に焼き付いた。小学生にんると、作品のおっかけを始めた。多作過ぎて小遣いでは間に合わず、本屋の立ち読みが日課になった。「井上ひさしを媒体にすべてのことを学んだ」。大学生になり、「弟子入りさせてください。2代目を名乗ります」と便箋に書いたが、投函する勇気がなかった。転機は2010年彼の訃報を聞いたとき。それ以後、彼の全貌を明らかにしたいと思い立ち、新聞雑誌を片っ端からめぐり、掲載作品を探す。今年は、井上ひさしさんの故郷、山形県川西町に地域おこし協力隊員になって引っ越した。「今は生活が井上ひさしになっている。彼のことを調べるのはご飯を食べ、顔を洗うようなものです」(朝日2021.5.28「窓 井上ひさしの故郷に移住して著作を発掘する」)。
 こういうおもしろい人がいると思えば、馬鹿馬鹿しい世の中でもまだ希望をもっていけるのかもしれない。

 

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画