雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月29日 冒頭から笑えた「今ここにある危機とぼくの好感度について」

2021.05.29

 本日は最終回でした。
 このドラマは冒頭で画面で「これはフィクションです」と断り書きをつけていました。よく考えると笑える話です。ドラマを考えた人は、こういう断りを書きをしないと、視聴者がドラマをすべて「現実」だと誤って観てしまうと思ったからに違いありません。
 それくらい、ある意味、最近出てきた日本社会の「現実」を描き切っていました。都合の悪い現実を隠す、内部告発者を社会的に左遷させる、外部からの疑問に対しては中身のない答弁をして乗り切る、市民、国民の生命や身体の安全は無視して大規模イベントを実行する、特に、4回目、5回目の謎の虫刺され被害と次世代博の開催をテーマにしたドタバタ劇は、今も東京オリンピックの開催の可否をめぐって明確な判断を示せない政権の迷走がダブってきます。
 中身がなく好感度で乗り切ろうとしてきた主人公の真(松坂桃李)が様々な問題に直面してもがく姿は、現代社会を生きている等身大の私たちってところでしょうか?
 NHK、テレビマンの中にも気持ちの熱い人がいるんだと思います。絶望するにはまだまだ早いということかもしれません。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画