雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月26日 最高裁 夫婦別姓認めず。その2

2021.06.26

 「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」という団体がある。2018年から選択的夫婦別姓の実現を国に求めるよう、地方議会に働きかけている団体だ。その事務局長の井田菜穂さんは、自民党の一部議員が当事者の声を聞かず、強く反対している、と述べている(朝日新聞2021.2.10「夫婦別姓なぜ選べない?」。井田さんによれば、理由として言われるのが「家族の絆が壊れる」「離婚が増える」「子どもがかわいそう」などだそうだ。

 別姓を認めてしまえば家族の絆とか一体感が失われるというのは、さっぱりわからない。
 家族の絆というものは、家族構成員の互いの努力によって実現されるものである。別姓になるからといって絆が薄まるものではない。「離婚が増える」???「子どもがかわいそう」確かに夫婦同姓が多数であれば「なんで自分の家は別姓なんだ?」ということになるが、それは制度があるからと説明すればそれで済む話だろう。そして、その制度が社会に浸透していけば、かわいそうなどと思う人もいなくなるだろう。夫婦別姓反対派の主張には根拠がまったくないのである。

 夫婦別姓反対派の目的は、家族制度を維持したいことにある。夫婦が一つの姓を名乗るということがおそらくは家族制度維持の象徴なのだろう。しかし、繰り返すが、別姓になったからといって、家族が壊れるとかいうものではない。

 必ず、夫婦別姓は実現する(それは私が生きているうちにかどうかは知らないが)。反対派の根拠は薄弱であり、改姓を義務づけるだけの合理的な理由にはなりえないからである。
 

馬場秀幸  カテゴリー:その他