雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月5日 コロナのとばっちりその19 真夏のマスクは真夏に防寒着を身に纏うようなもの

2020.06.05

 息苦しい。ボクだけではない。裁判所に居合わせた他の弁護士も、息苦しいよねと呻いていた。当然、マスクのこと。
 「新しい生活」の時候の挨拶に「今日も息苦しいね」が定番になってくるんではないか。怖ろしいことだ。
 マスクには密閉効果がある。冬の防寒具と同じようなものだ。密閉した空間は空気がたまる。空気の温度が高ければそれだけその温度をボクらもストレートに受ける。一昨日は30度近い気温だったから、マスクをした顔面周辺の不快指数も限界に近づきつつあった。苦しい。
 ところで。
 売買の場合、売主は買主に瑕疵のない商品を提供しなければならない。瑕疵が見た目に明らかである場合は、それは民法上「債務の本旨に従った」履行とはいえない。買主はその引き渡しを拒否することができる。引き渡しを受けたときはわからなかったが、後日瑕疵が発見された場合でも、買主は商品に「隠れた瑕疵」があったとして売主にその責任を追及することができる。これを瑕疵担保責任という(改正民法では契約不適合責任というらしい)。
 ところが、アベノマスクの場合、質より量とスピードを最優先したため、政府はこの瑕疵担保責任を免責することを売主に認めた。取引の慣行からすれば余りにも異常なことなのである。そして、検品がおろそかになったために供給されたアベノマスクに毛が混入したりする欠陥が明らかになった。頒布したものを回収し、検品作業をした。その業務委託料は8億円という。なんだろう。この無駄遣い。税金だということを忘れないでほしい。

馬場秀幸  カテゴリー:その他