雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月8日 学園祭近づく

2021.06.08

 自分の母校の高校の学園祭がもうすぐのようだ。
 自分の高校時代は、秋に開催されて期間も3日間、最終日は演劇祭。2年生と3年生の各クラスが20分程度の演劇を行う。これは、高田公園内にあった厚生南会館で実施された。時代は変わり、学園祭の時期は、もうずいぶん前から6月になった。おそらく3年生の受験のことを考えてのことだろう。演劇も3年生だけに限られている。場所も高校の体育館になった。時代の流れで変わってきたのだろうが、それでも、演劇と聞くと何となく心が躍る気持ちになる。
 当時はどのクラスも、二学期の始め頃から学園祭の教室での企画や演劇などが中心的な話題になる。
 私は、2年4組だった(担任は白倉昇先生)。ホームルームで演劇の監督を誰にするかという話になり、部活を何もせずひたすら勉強していた私がたまたま指名されることになった。「おまえ、ひまだろ!」ということのようだった。
 演目は木下順二の「夕鶴」。これは、当時の中学か高校の国語教科書の教材にもなっていた。他のクラスは皆オリジナルなのにウチのクラスはとても安直。でも、何とかその「夕鶴」の世界を描き切って、全体で3位入賞を果たすことができた。たしか、演じた当日は学園祭の最期の日だったので、祭りが終わると打ち上げに。打ち上げの会場は仲町にあった小さな喫茶店だった。夜になっていたが、クラスの仲間の3分の2くらいが参加したのではないかと思う。
 その時のことで記憶に残っているのは、「そうず」という農民を演じた〇君のことだ。監督のボクの言うことを聞いてくれない。彼からは私のやり方にずいぶんと皮肉も言われたりした。自分にはてこづったという思いでしかない。
 ところが、あっちはそうでもなかったらしい。〇君と何十年も経て学年会で再会を果たすと、「夕鶴」のことが懐かしいと言っていた。
 監督に指名してくれたクラスのみんなには今でも感謝している。一生懸命したことは何かの形で自分にも他の人の記憶にも残り、それが時には今の自分を励ましてくれる元気の素にもなる。そして、余り何も考えず、おもしろいから打ち込めた日々のことが無性に懐かしくなる。

馬場秀幸  カテゴリー:その他