雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

6月8日 歳を重ねる

2022.06.08

 あっという間に60歳に手の届く年齢になってしまった。
 精神や体力の衰えを感じている。
 ただし、悪いことばかりではない。
 歳をとって、高齢者、老人に優しくなった。やがては自分も老人になるからだ。高齢者の問題をとても他人事とは思えなくなった。
 私の父母は現在91歳である。彼らの希望で今も自宅で生活をしている。
 母は、最近、残った数少ない歯の神経がいかれてしまって毎日痛い思いをしている。歯を抜いてしまったほうがいいのかどうか悩んでいる。一日おきの透析治療も大変みたいで、透析を終えて帰ってきた日は一日ぐったりしている。それでも、天気のいい日は畑にでる。私も、その逞しさを見習いたい。
 父は、だんだんと物忘れが激しくなった。毎日飲まなければいけないはずの薬も、時々飲むことすら忘れている。誕生日に自分の齢のことを聞かれて「80歳かなあ~」
と答えていた。本当の齢が91歳であることを聞かされて、当の本人が一番ショックを受けていた。耳も遠くなった。遠くなったくせになぜか補聴器を使わない。問いかけをしても一度で回答が返ってくることはない。二度三度と同じ質問を繰り返す。我が家では、私がデモや集会用に使用している小さなプラスチックメガホンが居間に用意されている。父に質問をするときは、なるべく1回で終わるように、そのメガホンを父の耳に当てて問いかけをするのだ。
 優しくなったと言ったはずなのに、特に父親のことには愚痴を言っているようだ。自分もやがてはそうなるんだからなあ。

馬場秀幸  カテゴリー:日常