雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

8月11日 オリンピックとコロナ

2021.08.11

 エコノミストの藻谷浩介さん、⓵オリンピックについて「無観客でいいので開催すべきだ」と言い続けてきた、⓶国民の命を犠牲にしてまで行うべきではないとの論に対してはその言い方は妥当なのかと疑問を呈し、その理由として、感染急拡大はオリンピックとは直接関係ないし、日本人が集まる機会を少しでも抑止するために無観客は正しい選択だった、死者数もラクチン接種が劇的に功を奏して大きく減少しているではないか、と述べている(藻谷浩介・新潟日報210801「明確な数字で説明を」)。
 私は、もともとオリンピック招致反対派だったので、⓵には反対。実際に復興五輪⇒コロナに打ち勝つ証⇒などとスローガンが変遷してきたように日本で開催する意義も不透明。オリンピックのために造られた施設がその後高齢化と人口減少が確実視される日本で有効活用可能なのか?多額の負債を国民が背負うことになるのではないかとの不安がぬぐえない。それらの消極的要素を振り払ってでも開催する意義を見出すことはできなかった。
 それから、⓶については、オリンピックが感染拡大の原因にはならなかったとは思う。しかし、オリンピックをするのなら、外出しても大丈夫という気持ちを国民に抱かせてしまったことは間違いない。それが緊急事態宣言の説得力を致命的に弱めてしまったのではないだろうか?それから、死者数が大きく減少したとは断定するには早く、最近ではデルタ株の影響で感染者が休息に拡大している。たしかに、高齢者の感染者数や死亡者数は激減したかもしれないが、40~50代の感染者は激増し、そのしわ寄せでコロナ以外の救急医療が機能しない危険すらでてきている状況である。
 いずれにしても。こういう国民の命に現実の危険にさらされている状況で、オリンピックはするべきだったのかどうか、これから冷静に議論されるべきだろうと思う。、

馬場秀幸  カテゴリー:その他