雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

9月 2日 自分たちの老後を心配しないでいい日はいつ来るのだろうか?

2020.09.02

 「ナギサさん」。いつもは、視聴者もナギサさんに癒されていたと思うのですが、実は最終回、ナギサさんの発言にぞっとする思いをさせられた場面がありました。
 ナギサさんがトライアル結婚の3日目、メイの前から姿を消してしまうのです。後でナギサさんが言ったのは、病院で健診を受けたら心臓に問題があったことがわかった、メイさんとは20歳も年が離れている。今は結婚して楽しくしていても、やがては自分がメイさんに負担をかけさせるのではないか、そう考えると結婚はやめたほうがいいのではないかと思った、というのです。
 全体のラブストーリーのなかでは、やや毛色の違った展開で、姿を消した原因も唐突感があり、脚本としては失敗なんではと思いましたが、その内容にはやっぱり考えさせられました。
 まだまだ老後は自己責任という考え方がボクらは普通なんだと。だから、今がいいからと言ってもいつまでも浮かれてばかりはいられないんだということです。今年で介護保険は20年。介護保険は家族による介護ではなく「介護の社会化」を目指してきましたが、現実はまだまだそうはなっていない。そういうことをナギサさんの言葉を聞いて思いました。死ぬときまで余り個人で負担を負わないでよい社会保障、まだまだ道半ばですね。

馬場秀幸  カテゴリー:その他