雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

9月14日 敬老の日を前にして。

2021.09.14

 晴れた朝だ。うれしくなって窓を開ける。ひんやりとした空気が部屋に入る。起きてきたばかりの自分にはひんやりしすぎてややきつい。それでもしばらくこの空気に触れる。外からは秋の虫の声も聞こえてくる。この自然と直接対話しているような感じが心地よい。もう秋なんだと思うひとときだ。
 虫の声にまじって別の音が聞こえてくる。
 低音で「ズルズルズル、ズルズルズル」一定の間隔で地面と摩擦した結果出てきた音だ。父の歩く足音である。父は今年90歳になった。今も朝起きると散歩に出る。常に足を引きずっている。
 足がやや不自由になったのは、脳梗塞の後遺症である。51歳のときに脳梗塞を患った。リハビリをして回復したものの足の動きは完全に治らなかった。
 その後、65歳のときに鼻のがんを患った。家族はがんと聞いてもう一巻の終わりと思ったが、医師は、鼻の骨は堅く壁になっていて癌細胞が転移することはないだろうと言っていた。今生きているのだから、その見立ては誤っていなかった。その後に胃がん、そして大腸がん、三つのがんを患ってきたが、その都度克服してきた。自分の親ではあるが、そのたくましさはスゴイなあと思う。
 脳梗塞になるまではヘビースモーカーで、一日一箱のハイライトを吸っていた。脳梗塞になってタバコを断った。そして健康に留意し、散歩をするようになって「ズルズルズル」である。

馬場秀幸  カテゴリー:その他