雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

12月24日 「しょぼい喫茶店の本」(池田達也著・百万年書房)を読む

2020.12.24

 この前、直江津の「無印良品」に初めて行ったときに、その2階の本屋で購入した本である。なんかしょぼそうだったので買ってみた。
 池田さんは1994年生まれ。中高時代は何も問題がなかった。小学生の時は児童会の委員長を務め、中学生の時はバスケ部の部長をつとめた。ところが、高校に入ってつまずいた。バスケの顧問と合わない。ある日練習試合で、「トロトロしてんじゃねえよ!・・・この使えねえクズ!」と怒鳴られて、糸がプツンと切れた。次の日から部活に行かなくなった。
 大学に入ったものの、何をやっても長続きしない。アルバイトを始めても長続きしない。ワーキングホリデーに行っても、アルバイト先でもなじめず、ホームステイ先でもなじめず自室にこもりきりになるだけだった。大学4年になって就職活動をしてもウソのエントリーシートを書いて自己嫌悪になる。不採用の連絡がきて次の日からは布団からも出られなくなった。
 「おまえは使えないよ、要らない」と言われている気がした。だったら、生まれてこなけりゃよかったと思うようになり、死にたくなった。
 しかし、死ねない。どうしようかと考えた結果が、いろいろネットを検索するうちに芽生えてきた。考え付いたのは「しょぼい喫茶店」をしようということだった。
その後がおもしろい。ツイッターでつぶやくうちにアルバイトを志願する女性が登場した(その人は後に池田さんの妻になる)。そして、ネットでスポンサーを探して、ついに小さな喫茶店を立ち上げた。
 そんな話である。自分も似たような時代があったので、読んでいるうちに引き込まれた。読めば何となく元気が出るいい本です。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画