雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

平野啓一郎 徴用工問題の韓国大法院判決文も読まないような出演者にコメントさせるな

2019.10.13

 やっと台風が通りすぎた。南の空には月も見えている。上越地域の被害はあまりないようだけれど、お隣の長野県では千曲川が氾濫して大きな被害が発生している。リンゴの収穫の時期。心配だ。
 朝日新聞は10月11日から識者に「日韓」問題を語らせる連載「隣人 日本からの視線」を始めた。
 第1回目は小説家の平野啓一郎。平野は、メデイアが無責任に反感をあおり、嫌悪感や敵意を垂れ流しにしている、徴用工問題の判決を読まない奴にコメントをさせてはいけない、みんなまず判決を読もうじゃないか、という。「技術を習得できると期待して応募したら、危険度の高い労働環境に置かれ、賃金を支給されず、逃げ出したいと言ったら殴られた。悲惨ですよ」
 元徴用工の話は今の技能実習生の問題と重なるのだ。労働者は大切にされるべきだという価値観があれば、見方が変わるはず。
 平野は言う。
、「いきなり国家利益の代弁者になって考えるのではなく、まず一人の人間として彼らの境遇を思うことが大切です」(朝日新聞10月11日付 平野啓一郎「日韓 属性で分けず共感さぐろう」
 私もそう思う。何度でもいう。自分の見方や立ち位置を国家と同じにする必要はない。自分は自分の立ち位置でものをみればいいではないか。
 この「隣人・・・」の連載は、平野に始まり、日韓議連幹事長の河村健夫、自称「日本一新大久保に詳しい女子学生」もーちい、と続く。どれも立ち位置がはっきりしていておもしろい。いままでののマスコミ報道は、朝日新聞も含めて日本政府の立場をまるで他人事のように報じていただけだった。ここにきてようやく朝日新聞も真面目に解決の糸口を探り始めよたように思われる。

馬場秀幸  カテゴリー:その他