雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

謙信公祭、国宝「山鳥毛」

2019.09.02

 謙信公祭が終わったそうだ。このお祭りは上杉謙信を讃えるお祭りだ。ボクは興味がないので子どもの頃に2,3回連れられて行ったきりでそれ以降は行っていない。ガクトが武者行列をした時もいかなかった。まして、最近の一般人が謙信公に扮した武者行列も興味はない。
 謙信公にからめていえば、今から3年前、上杉謙信ゆかりの太刀「山鳥毛」を上越市が購入するということが大きな話題になっていた。買うとすれば数億円の税金の支払いが発生するということだった。結局、売主がごねて購入はされなかった。結果的にはよかったのだが、一時期は官民あげて「山鳥毛」について学ぶ学習会が各地で開催されるなど、私からすれば正気の沙汰とは思えないことが上越市の主導でやられていた。
 2016年11月20日の上越タイムスには「国宝「山鳥毛」勉強会」「取得へ機運高揚」「市民団体主催 市民220人が参加」と題した記事が掲載された。
その中で上越市の野澤教育次長は「山鳥毛の取得は『義の心』を市民に再確認してもらう機会になる」と述べたことが書かれてあった。
 ボクは、政治とは人々の生活をよくすることだと思う。それは地方政治も同じことで、そのための予算は当然に民生に使用されるべきだと思う。そして文化・教育予算にも優先順位があるはずで数億円は刀の購入よりももっと他に優先するべき使い道はたくさんあるだろう。
 それから、取得を推進した人たちは上越市の文化の再生や発展を考えていたのだとは思う。しかし、文化というのは人々の継続的な営み事の蓄積によるものであって、他から高価なものを購入してあがめても何にもならないと私は思う。
 今は、もう謙信公祭といっても、謙信に関連づけて「山鳥毛」の話をする人は少ないだろう。そんなすぐに忘れてしまうものなんて本当の文化とは言えないし、そんなものホントウに購入しなくてよかったと思う。

馬場秀幸  カテゴリー:その他