雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月11日 「算定表」

2022.10.11

 離婚の調停をしていると、調停委員が「算定表」「算定表」という。しかし、弁護士は知っているかもしれないが、素人は「さんていひょう」と言われたところで意味がよくわからないのではないか?
 算定表というのは、当事者の収入額を前提に婚姻費用や養育費の具体的額を割り出す表のことだ。当事者間の年間の収入がわかれば、養育費・婚姻費用のおおよその金額がわかる仕組みになっている。実に便利なのだ。しかも、統計資料を根拠にしているから説得力がある。
 昔は、養育費・婚姻費用で争いがあると、お互いにいろいろな資料を出し合う。そのために時間もかかった。この表ができて決定までの時間や手間が短縮されたのだ。
 最近、算定表がまだ広まっていない頃に離婚裁判をしたお客さんがやってきた。自分の支払っている養育費は実は高いのではないか、養育費の減額の申し立てができるのではないか、と言ってきた。そこで、算定表を示してあげた。それによれば、むしろ算定表の額よりは低い数字になっていた。そのため、今申し出たらそれがやぶ蛇になって、もっと高い額を決められてしまうかもしれませんよ、とアドバイスした。こういうときも、算定表に従って助言すれば、お客さんも納得するほかない。実に便利なのだ。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事