雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月28日 仕事の遣り甲斐を感じるとき

2020.10.28

 こんな相談を受けた。
 父がイヤでずいぶん前に家を出た。それから父とは音信を断っていた。その父が死んだ。葬式に行ったら、どうして家を出たのだと親戚に責められた。なんで責められるんだと戸惑った。 父が最後まで住んでいた実家にはまだ自分の私物が遺っている。私物を取りに行ってもいいのだろうか、というものだった。
 
 私の回答はこんなものだ。
 「あなたは相続人なのだから、相続財産を管理する義務がある。だから、実家に出入りするのは何の問題もない。むしろ、窓を開けて換気をする義務があるくらいだ。だから堂々と出入りすればいい。そこで、私物を持ってきても、他人の財物を持ってきたわけではないから窃盗にもなることもないでしょう」

 どうも、余り人との会話に慣れてないらしく、説明もたどたどしかった。でも、大変で切ない思いをされてきたのだなあと思うと、なんか自分に熱いものがこみあげてきた。そういう話を聞きながら、アドバイスをする。仕事の遣り甲斐を感じるときでもある。
 
 
 

馬場秀幸  カテゴリー:仕事