雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

8月2日 スッカスカの申立書

2022.08.02

 「財産分与と慰謝料の支払を主張されておりますが、その理由が書かれていないので次回までに準備してきてください」
 調停委員が遠慮がちに私に言った。まったくその通りであった。離婚調停の申立てをしてはみたのの、離婚や財産分与、慰謝料の申立ての理由がスッカスカなのだ。もちろん、当事者なら書き方などの勝手がわからないこともあるから仕方ない。しかし、あなた弁護士でしょ?と調停委員は言いたかったに違いない。
 スッカスカになってしまった理由。よくわからないけれどこの数か月とにかく忙しい。仕事を断ったほうがいいのではないかと忠告する人もいる。しかし、それはできない。一人でやっているわけではない。職員も数人雇っている。事件を選んでいるとか変な話になって事務所が敬遠され仕事が来なくなる、という可能性もなくはない。
 もちろん、好きで仕事を受けているという面も間違いなくある。自分の人生の潮時も少しずつ近づいてきている。知力や体力の低下も日々実感している。まだ「活きがいい」うちにやれるだけのことをしておきたいという気持ちがある。
 だから、今回はなかなか申立書の起案に時間が割けなかった。調停の申立書には最低限のことを記載して提出。第1回目の調停期日では依頼者に話をしてもらい次回に繋げる。そんな調子である。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事