雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

8月4日 スッカスカの申立書 その3 

2022.08.04

 スッカスカの空白を埋めなければならない。これは裁判所を説得するためでもある。そして、自分の人生の区切りをつけるためにも有益である。
 調停期日では待ち時間がある。相手が調停室に入っている間、私たちは待合室で待っている。この待合室の時間を利用しない手はない。事務所のように電話が来たりして中断されることもない。この時間を利用して依頼者から話を聞く。
 今回の女性の場合は、娘が女性のことを慮って同行してきてくれていた。待合室で、娘と家族に交互に問いかけをしながらエピソードを聞き出していった。これはとてもいい。娘がいることでその女性も私と二人だけよりは話やすかったはずだ。それに、その娘が記憶を呼び起こすヒントを与えてくれると、それで思い出したかのように彼女が一つのエピソードを話し出す。そうすると、その話にまた娘が別のものを付け加えてくれる。
 手間はかかる。こういう手間が、面倒だという人もいる。しかし、この空白を埋めていく作業が、私にはおもしろい。次回は少しは1回目よりも充実した話を調停委員に聞いてもらうことができそうだ。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事